2015年11月30日月曜日

米カレンダーに寄せて いのち・平和守る躍動的な日々を

 ことしも富山和子さんの「日本の米カレンダー」2016年版が家にやってきました。新しい年が近いことを改めて知ります。
 同カレンダーの魅力は、なによりも日本の風景や景観の美しさに、茶の間から一年を通して接することができることです。まだ訪れたことのない地域の魅力に、「おっ」とひき込まれるのです。16年版4月の宮城県大河原町の「一目千本桜と韮神堰」(写真)もその一つ。白石川の清れつな流れ、流域で咲き誇る桜並木、雪を抱く蔵王連峰が一度に目に飛び込んできます。白、青、うすもも、緑という自然の鮮やかな色彩に心が洗われるようです。
 富山さんが生活者に寄り添い、その苦労や気概を丁寧に紹介していることもカレンダーの魅力です。5月号の静岡県小山町の「吉ヶ島の棚田」では、難しい地形での米作りの苦労を農家に尋ねるとともに、「跡継ぎはいます」との答えも引き出しています。危機に瀕すると言われる日本農業で、その展望を切り開く草の根の健闘に心強さを覚えるシーンです。
 米カレンダーは27年目を迎えます。長期に及ぶ編集のキーワードは、ひとえにいのち、戦争体験だと富山さんはいいます。日本列島の山々は第二次大戦により最も荒廃し、戦後しばらくは大渇水や大水害の連続だったから、けっして繰り返してはならないと。従って、「原発再稼動もいわんや戦争法案など話にもなりません」と断じます。
 来年も、いのちや平和をしっかり守る躍動的な日々を送ろう。背中をそう押してくれるカレンダーです。
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