2015年12月30日水曜日

寒風にふるえる高校生

 いま図書館には受験を控える若者らが大勢詰めかけています。思いっきり勉強するうえで弁当やサンドイッチを持参したいと考える若者らも少なくありません、教育・文化の拠点である図書館側もそうした利用者を応援しようと、例えば神奈川県座間市立図書館では持参した弁当を食べるコーナーが館内に設けられています。
 
 ところが同県の海老名市立中央図書館は持ち込みの食事を禁止。先日も同図書館のテラスで寒風にふるえながらおにぎりを食べる女子高生がいました。
 他方、同館内で広いスペースを占める「スターバックス」ではサンドイッチなどが売られ、館内で堂々と食されています。「市立」を冠する図書館でありながら、私企業の営利活動が優先されているのです。
 
 海老名の中央図書館はレンタル大手「ツタヤ」が市の指定管理者として運営し、「ツタヤ図書館」と称されています。開館した今秋、「不適切な本」の購入で話題になり、この27日も同図書館のホームページ上に写真や文書の無断転載があったとして、謝罪文を掲載しました。
 図書館運営の資質が問われるツタヤ。同時にそうした企業を管理者とした責任が問われる海老名市。せめて、両者の協定書で「市民サービスの向上」を約束している以上、高校生らを寒風にさらすのではなく、館内での食事も可とする血の通った措置が講じられるべきはありませんか。(写真=海老名市立中央図書館のテラス)

2015年12月27日日曜日

だれもが幸せな新年を 「お飾りづくり」に挑戦


正月に家の玄関に飾る「お飾り」を手作りでと、県公園協会の行事に参加しました。昨年に続く挑戦です。
 わらをより合わせるのは難儀でしたが、地元の方に教えてもらいながら2時間格闘。平和でだれもが幸せな新年であってほしいと願いながら、仕上げました。(写真)

2015年12月20日日曜日

自己ベストに挑む―学習支援教室から

 「やったぁ、自己ベストだ」
 小学校の放課後の学習支援教室で、5年生のS君が笑顔で声を上げました。
 今秋から取り組む「掛け算の百マス計算」。九九を百のマスに埋め、正誤とともに時間を問う学習です。支援教室では他の子との競争ではなく、自分の記録への挑戦と位置づけています。

 2年生で習う掛け算は算数のさまざまな学習の基礎ですが、どの子も完璧にマスターしているとは言いきれないのが現状です。
 このなかで「百マス計算」はゲーム的要素もあるのか、進んで取り組む子どもが徐々に増加。継続することで、計算力はもとより集中力や自発性を育む一助になっているように見えます。

 宿題などを終えたのち、自分から「百マスやります」と切り出すS君。開始前は鉛筆をチェックし、椅子に座る姿勢を正すようになりました。支援員の「用意」の声で集中を高め、「スタート」で鉛筆を一心に走らせます。
 8の段や9の段などでは当初、言いづらいせいか、「掛け直し」(例えば9×7を7×9に)を行っていましたが、いまでは時間にロスが生じるとして、段そのもので覚えています。3カ月が経過した現在、やり遂げる時間は約1分短縮。満点も続いています。

 学習に興味を持ったときの子どもの成長に、改めて驚かされています。

2015年12月12日土曜日

燃えるモミジ

昼、近くの公園を久しぶりに歩きました。
 木々の落葉で、林のなかから見上げる空が広く見えるとともに、林の先もよく見えます。冬なんだなあと感じ入る一瞬です。
 でも、気温は16度。快晴。急ぎ足で歩くと、汗ばむほどです。
 モミジが数本あり、鮮やかな紅葉で木全体が包まれようとしていました(写真)。

2015年12月6日日曜日

歌のある介護の職場

 Kさんは、介護の施設に週一度足を運びます。
 施設は特別養護ホームで、入所者全員が認知症です。
 Kさんの仕事は洗濯。入所者の入浴時のタオルや寝具の洗濯、たたみ、仕分けと続きます。階段を昇ったり降りたりもあり、仕事を終える夕刻には体の疲労も最高度に。
 でもKさんは心地よさも覚えるといいます。「少しは役立っているのかな」と思えるほか、入所者を直接介護する職員の努力に接するからです。
 
 職員は入所者への優しい声かけを怠りません。食事を入所者の口に運ぶさいは「少しずつでいいんですよ」。入浴後は「きれいになりましたね」。入所者と歌を歌いながら廊下を歩く姿も見受けられます。通底しているのは人間の尊厳を重んじる姿勢です。
 
 同施設も最適の労働環境とは言い難いものがあります。早朝勤務の開始時間は7時。いまの季節であれば職員は夜明けの街を白い息を弾ませながらやってきます。夜勤(22時~翌8時)も月に平均4回あります。
 
 Kさんと職員の尽力、献身に頭が下がるとともに、「歌のある介護の職場って、いいなぁ」と思いました。(写真=朝の青空)